« 炭手前 その1 | トップページ | 初釜料理 »

炭手前 その2

阪急の創業者でいらっしゃる小林一三さん【1873年(明治6年)~1957年(昭和32年)】は、実業家でいらっしゃると同時に、茶人でもいらしたのですが、この小林一三さんが、炭手前についてお話しされている箇所をみつけましたので、ご紹介します。

炭點前を取上げると、胴炭、割炭、長炭、枝炭等々、その組合せもコレコレ斯く斯くと言ふが如き點になると、一俵何百圓もする櫻炭、それをそろへてお炭をすると言ふことも間違つてゐる。手元に有合せのゴロ炭でもよい。無駄のないやうに、火のおこりやすいやうに、お茶の煮えの松風の音、順序よく運べばうまくゆくものであるから、我々は、炭の節約によつても、爐中に風情を添へることの出來る工夫が必要である。炭斗も、爐、風爐と區別することの無意義に終ること、況んや、唐もの、和ものの大小形状の如何によつて、爐には使へない、風爐には無理だと言ふが如き舊觀念を拂拭して、新しく炭點前を考ふべしである、灰器の取扱ひ方も又變つてくる。・・・・・・・

Pict4630_1 私が、炭、炭手前が必要かどうか、と考えるのは、いくつか理由があるのですが、主なものは2つです。

1、お茶の炭は高価である

2、今の日常生活において、お湯を沸かす時は、ガスや電気を使っていて、炭は特に必要がないものである

まず、1ですが、お茶に使う炭は、バーベキューの炭とかに比べて、格段に高いですね。こんな高い炭、使うのやめようかなあと思ったことが何度もあります。私は、炭について不勉強なので、どなたかよくご存知の方があれば教えていただきたいのですが、いつか、何かで読んだところによりますと、値段が高いのは、お茶をしている人に原因があるようでした。どういうことかと言いますと、炭の寸法が決まっているので、その寸法に合わせようとすると、100本作っても、お茶の炭として使えるものは1本以下であるというようなことが書いてありました。自然のものを、人が作った規格に合わせて、かつ、端が欠けたりしているものはだめ、となると、確かに合うものは少ないように思います。もし、これが事実なら、寸法が決まっていなければ、見てくれを追究しなければ、炭として作られたものをすべて使うことができ、私達ももっと安くで買えるのでは?と思いました。

また、とても気になったことは、細い炭をつくるため、本来ならもう少し置いておいたほうがいい若木を切って、炭にしなければならないというようなこともどこかに書いてありました。もし、そうならば、お茶の精神には反しているように思います。最近、“花は野にあるように”に従って、虫食いの葉っぱはそのまま使うようになりましたが、炭も、“炭は木として森林にあったときのように”と考えると、人の都合を木にあてはめなくてもいいのではないかなあと思います。木に人が添う、自然を大切に活かす、生かすことが大事なのではないかなあと思います。

この辺のことについては、よくご存知の方がいらっしゃいましたら、お教えください。

次に、2ですが、私は、普段お湯を沸かす時、ガスか電気を使っています。炭を使うのは、お茶のときだけです。例えば、千利休の時代、江戸時代も、木が大切な燃料だったと思います。でも、今は違います。もし、秀吉や千利休が今の時代に生きていらしたとして、電気やガスで簡単にお湯が沸かせる今、炭を使い続けられるでしょうか?ご本人達に伺ってみないとわかりませんが、頑として炭にこだわられるのか、わからないですね。先日、千利休が今の時代に生きていたら、茶室で写真をばちばち撮らはると思う、とおっしゃってた方がありましたが、カメラがあれば、秀吉とかも使ってはったと思います。大名一同、写真撮影会とかがあったかもしれません。

炭は、茶会の時空間を作り出すものではないかなあと思います。ガスや電気ではこれは無理です。炭がおこってくるに従って、お湯が沸いてきて、炭が燃え尽きてなくなっていくと、しゅんしゅんというお湯の音(煮えの松風の音)がすーっとおさまっていく。ガスや電気では、この時間の流れは作り出せないですね。

炭なら、どんな炭でもいいのかもしれませんが、いつか、頂いた、お茶用の炭ではない炭をつかってみましたら、なんか、ちょっと変な臭いがしたことがあります。また、このお茶の炭、クヌギの炭は、見かけが美しいだけなく、火の持ちもよいようです。海外のお茶仲間に聞いてみますと、見かけは同じような大きさでも、この日本のお茶の炭の方がずっと長い時間火がもつようです。

以上、まとまりがありませんが、炭のことは、もうしばらく保留にしておきます。

« 炭手前 その1 | トップページ | 初釜料理 »

茶道具 chadougu : tea utensils」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/168789/13676033

この記事へのトラックバック一覧です: 炭手前 その2:

« 炭手前 その1 | トップページ | 初釜料理 »

フォト
2017年3月
      1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31  

最近のトラックバック

無料ブログはココログ