« 精進料理 その3 | トップページ | 有機栽培の抹茶 »

煎茶とSENCHA

_img_0481_2左は、京都の日本茶専門店の煎茶。右は、パリの紅茶専門店のSENCHAです。

私のスイスの友人は、昨年、ローマのレジデンスに一緒に泊まった時、朝ごはんが、食事はスイス風、飲み物は、日本の緑茶でした。日本人の私には考えられない取り合わせだったので、すごく驚きました。日本のお茶屋さんで買ったという、印籠形の入れ物に、煎茶を入れて旅行の時は持ち歩いているとのことでした。

先月の葩会の折、海外で飲む煎茶について、いろいろとみんなで話していて、パリの紅茶専門店に日本の緑茶が売っていると聞きました。そこで、パリからのお土産として、これをお願いしました。京都にいる私がなんで日本の緑茶を?と、すごく驚かれましたが、いろいろとお茶の研究をしているから・・ということで買ってきていただきました。右のお茶は、日本からフランスへ行って、また日本へ戻ってきたことになります。

で、このSENCHAを2回飲みました。一度めは、お湯をまず茶碗に入れ、少し冷ました後急須に入れる、日本の煎茶の入れ方。このお味は・・・・、正直、あまり美味しいとは言えませんでした。色も味も薄い感じでした。左のお煎茶は、この入れ方でとても美味しいのですが。ちなみに、左の煎茶は、80度のお湯で1分と書いてありました。やはり、紅茶の専門店だし、日本の緑茶はだめなのかなあ・・と思っていましたが、

で、2回目。今度は、そのパッケージに書いてあった90度のお湯で2分。で入れてみました。湯冷ましをせずに、お湯をそのままポットに入れました。すると、なんと、ちゃんと緑茶でした。日本の緑茶とは少し異なる印象でしたが、ちゃんと緑茶のイメージが保たれていました。では、このお茶についての友人のコメントをご紹介します。

淹れてみるとやはりフランスの一流メゾンだという誇りというか「洗練」を感じました。緑茶なんだけどやっぱりフランスだわ。でも、緑茶(や、他のアジア系のお茶もたくさんそろえてはると思いますが)をも自家薬籠のものにしてしまうあたりが、やはり食文化の国、フランスのメゾンだな、とおもったり。

このSENCHAの一番の驚きは、これだけの高い温度で入れても渋みがでないことでした。もし、左の煎茶で入れると、渋みが出てしまうと思います。右のお茶は、二煎目、三煎目も緑茶の雰囲気は保ちながら、渋みが全く出ませんでした。

このSENCHAは、これからの日本に向いているお茶なのではないかなあ、というのが飲んだ人共通の意見でした。左の煎茶は、毎回同じように入れるのがとても難しいです。同じ茶葉、同じ量のお茶を、同じ温度の同じ量のお湯で同じ時間待って入れたとしても、外気の温度で左右されます。毎回、違う味になり、失敗すると、ものすごくいいお茶が台無しになってしまう危険性があります。その点、右のお茶は、誰が入れてもいつでも同じ味をだすことができるからです。渋みがでないのは、茶葉の製造工程に関係しているかも?とのことですが、紅茶を入れる感覚で緑茶を入れる、これは、紅茶の専門店だから考え付く発想ではないかなあと思います。私も含めて、まずこの2つの茶葉を見て、左のきれいな緑に比べて、右は古い、あまりいいお茶ではないのではないか?と、はじめに、日本の煎茶の感覚で先入観を持ってみてしまいましたが、どうやら、この右のSENCHAは、かなり研究、計算し尽くされたお茶のようです。さすが、フランスだなあと思いました。発想の転換って、大事ですね。

長くなりますが、まあ、秋は夜長だからいいでしょ。

最近、自分のことですが、自分らしさが取り戻せてきているなあと感じます。では、その自分らしさとは? いろいろとあるとは思うのですが、真っ先にあるエピソードを思い出します。それは、私がずっと覚えていたことではなく、私自身は全く覚えていなくて、人から聞いた話しですが、小学校5年生か6年生くらいの時のことです。ある日、ある男の子が学校からの帰り道、買い食いをしていたことが判明し、ホームルームの時間にみんなで真剣な話し合いをしていたそうです。すると、私が「はーい!」と手を上げて、立ち上がって、「私、○○くんが買い食いしてたん見てましたー」と言ったそうです。それも、明るーく、さらっと言ってのけたのだそうです。

それを聞いた私は、「えーっ、私そんなこと言ったん?」と、驚きました。そんなことをしゃあしゃあと言ってのけたこと、そして、そんなこと言ったのを微塵も覚えていないこと。Wショックでした。まあ、覚えているような人なら言わないと思いますが・・。その後、本人に会ったときにあやまったら、時効にしてくれていたようですが・・。母に、私昔こういうこと言ったらしいよ、と言うと、母は、「人生にはいろいろなことがあるので、1人の人でも、ある時は明るかったり、ある時は沈んでいたり・・と様々やけど、人の基本的な性格はその頃(小学校5,6年)には出来上がっているのかもしれへんなあ、うーん」と、妙に納得していたので、それどういう意味ですか?と思ったのですが、確かにこういうところが私の持ち味の1つかもしれません。そう言うと、大人になってからも、「あんた、誰も聞けへんかったこと、ようそんな明るう言うなあ・・」と言われたことあったように思いますし・・。長い間ネコかぶってましたが、最近だいぶ絶好調になってきたような気がします・・。

« 精進料理 その3 | トップページ | 有機栽培の抹茶 »

茶 cha : tea」カテゴリの記事

コメント

拙い文章を引用していただき恐縮

成るほど淹れ方でずいぶんお味が違うのですね。私はたまたまこちらのメゾンのブックレットのようなものを持っていましたので、そこに掲載されていた淹れかたどおりに淹れたので、はじめから美味しく入ったのかも。
そうそう「紅茶の淹れかたと同じやなー」って、私も思いました。
繊細なお煎茶をそのままヨーロッパに持ち込んでも「お湯を冷まして・・・」という淹れ方がヨーロッパではちょっと奇異に映ったり、面倒がられたりするだろう。そこで、お茶の葉をヨーロッパの淹れ方にあわせてみせましょう、ということなのですねたぶん!
ちょっと寂しいような気はしますが、でも、湯冷ましに拘り続けるよりも、紅茶文化圏の習慣にあわせたほうが、結果的に緑茶の美味しさが紅茶文化圏にも誤解無く伝わるから、いいこと、ですよね・・・。
この発想の柔軟さも、あの壮大な文化であるフランス料理をつくりあげた原動力の一つかな。

でもちょっぴり頑固さが抜けきらない私は、SENCHAで緑茶を好きになってくださった人々の数パーセントでも、低温でテアニンをたーーっぷり引き出した、苦くて甘い日本茶の神髄のような煎茶もいつか味わって欲しいな、なんて思っちゃったりします。
SENCHAの洗練は、大陸の洗練、力強い洗練だと思うの。
そして大陸に住んでいない私はこのパワフルさにも憧れる。
でも、煎茶の、目立ちはしないけれども、たおやかな存在感が確かにある、そんな良さも解って欲しいなあ、なんてつい思ってしまって。

そういえば、昨日はボジョレーヌーボーの解禁日でしたね。
お茶の世界では炉開き、これは、「炉」解禁?とも言える?
・・・季節が巡ってゆきますね。

chajinさん、随分とご無沙汰しております。よっしーです。
フランスのsentyaと日本の煎茶、この2種類の飲み比べ、というと言葉は悪いですが、私も参加させていただきました。
正直申し上げますと、私は日本人でありますけれども(笑)、フランスのsentyaにかなり好感を持ちました。理由は、①煎茶の風味を持ちながら、煎茶の苦味が殆ど感じられない、②気軽に淹れることが出来る、の2点からです。もちろん日本の煎茶も美味しいと思うのですが、日本の煎茶は淹れ方がとても難しいです。淹れ方を失敗してしまうと、とても苦くなったり、お湯っぽくなったり、と、お世辞にも美味しいとは言えない味になってしまいます。日本の煎茶は、①上質な茶葉を使うこと、②上手に淹れること、の双方が揃って初めて、茶葉の美味しさを存分に引き出した美味しい煎茶となるような気がします。
ということで、日本の煎茶を淹れる際に四苦八苦している私としましては、どちらかというと、そんなに神経を遣わずに淹れることが出来、かつ美味しく出来るフランスのsentyaに新鮮さを感じました。

「煎茶の、目立ちはしないけれども、たおやかな存在感が確かにある、そんな良さも解って欲しいなあ、なんてつい思ってしまって」

おっしゃるとおりですね。
日本の文化は、どこかそういうところを持ち合わせているように思います。

繊細な煎茶は、海外では、日本と同じ淹れ方をしても、水が硬水だったりすると、もしかして、美味しいとは感じないのかもしれませんね。
でも、日本で先月よっしーさんが淹れてくださった煎茶、スイスのみなさん、とても美味しいとおっしゃってましたね。

日本のことを考えてみると、めまぐるしく動く現代。だから、あまり時間も手間もかからないほうがいい。あるいは、忙しい毎日だからこそ、むしろ逆に、時間も手間もかけたものを味わうことも必要である。どちらも言える気がします。

私は、今は、こういうことが、いろいろなところで問いかけられているように感じます。

炉開きと炉解禁。私は断然炉開き派ですね。お開きにするとか、開くっていい言葉だなあと思います。こういう言葉は日本語の良さだなあと思います。

また、いろいろ考えるよききっかけになりました。

「禁」より「開」のほうがずっと素敵な字よ(私見)。唯、季節によって味わえるものとか、使うものとか、その他色々を帰るのに色んなしきたりがあるのは、どうやら洋の東西問わない、それが面白いなーと思って書きました。

さてさて、お聞きになったことがあるかもしれませんが、外国で(特にイギリス、かな)いただく紅茶が、その濃厚な水色---コーヒーと見まごうような、透明感のない色---の割に味がまろやかなのは、硬水のはたらきだと聴いたことがあります。硬水はタンニンの渋みを包み込んでしまうので、淹れたお茶が渋くならない。またタンニンは硬水の成分と結合すると色が濁るので、淹れた紅茶が、透明感のない濃厚な水色になる、のだそうです。

ということは、硬水で繊細な煎茶を淹れたら---甘みを包み込んでいる渋みも出ないし、色も---??かな。
こんど、コントレックスやああいう固いお水を沸かして煎茶を淹れて実験してみようかな。

こうやっていろいろなお話しを伺っていると、煎茶(私の場合は抹茶かな?)を持ち歩いて、世界中のいろんな水であじわってみたくなりました。

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/168789/12706944

この記事へのトラックバック一覧です: 煎茶とSENCHA:

« 精進料理 その3 | トップページ | 有機栽培の抹茶 »

フォト
2017年3月
      1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31  

最近のトラックバック

無料ブログはココログ